世界一にはなるかもしれませんが、
突出することはないと思いますし、すぐにはならないと思います。
中国は国民を都市部と農村部に明確に身分分けしており、
農村部の人間は法律的に都市部の仕事につけません。
現実的には貧困で都市に出てきて格安で働いていますが、
中流以上の創造的作業についているとは言い難いです。
都市部人口は約3億弱ぐらいで残りは農村部です。
日本やアメリカのような生活に近付こうとしているのはこの3億であり、
追い付く可能性があるのもこれらの人々です。
3億という数字はアメリカの総人口と同等であり、
これらの人々がアメリカと同等まで発展したとしても
ようやくアメリカに追いついたというぐらいになります。
都市部が発展すれば農村部の制約も緩やかになるかもしれませんが、
この3億の発展で頭打ちになる可能性がかなり高いように感じます。
農村部を発展させればいいという考えもありますが、
中国は食糧難から暴動がおこり国が転覆する可能性があることから、
食糧確保に神経質になっており、このようなある種身分制度のような
法律がまかり通っています。
環境問題になぜか熱心なのも砂漠の増加で食糧難になっては
困るからです。
中国3000年の歴史といっても、中華人民共和国は建国して60年の
アメリカより新しい国です。国家体制は盤石とはいえません。
暴動もたびたび起こっています。
人々を農村に縛り付けておくことがどうしても必要なのです。
また、単純労働から、先進各国のような研究開発をともなう
先進的な産業に移るのにも高い壁があるように感じます。
中国が外貨を稼いでいるのは、世界の工場として、
劣悪な環境で休憩も短く、低賃金で長時間の単純作業を
つづけているからです。
自殺者や、鬱憤をはらすための毒餃子事件のような無差別犯罪も増加して
いて、賃上げ闘争も頻発し、多くの問題を含んでいます。
これを先進国のような、労働環境が整備され、労働者が満足する賃金が貰え
えるようにして、競争力を保っていられるのかという問題もあります。
元の切り上げや賃金の増加で、海外資本の単純作業が東南アジアやアフリカなど
に流失して、しかし新たな高付加価値作業を作りだすことはできず、
発展がそこで止まってしまうこともあり得ます。
このため、国力全体としては日本をもうすぐ追い越すでしょうが、
一人当たりのGDPで日本を追い越すとはとてもおもえません。
国力全体としても、アメリカを追い越すのはそう簡単なことでは
ないように思えます。
ただ、市場として中国はある程度、日本製品を買えるだけになってきたので、
仲良くしておくべきだとは思います。