上場企業は利益を株主に配当として還元するため、利益をあげることを目的にしていますが、中小企業では株主が身内だけだったりするので、配当としての利益還元を重視せず、利益への課税を回避するための税金対策(いわゆる節税)を行い、意図的に赤字にならない程度の金額の利益で抑えようとします。このような中小企業では、従業員遺族への災害などによる弔慰金支払いが発生すると一気に赤字会社となってしまうなどかなりの負担になるため、このような保険の活用の仕方はやむをえない面もあります。
しかし保険金殺人事件の増加があり、監督官庁もかなり保険会社を厳しく指導するようになりましたので、チェックが厳格になっています。
現在ではこのような保険加入に際しては、保険会社は契約する企業に対していくつか書類を要求することが一般的になってきたようです(会社によって違いはあると思いますが)。
一つ目は本人の承諾があることを示す書類(本人の署名捺印があるもの)、二つ目は弔慰金に関する社内規定の写し(ようするに保険金は会社が受け取って自由に使えるものではなく、弔慰金に充てるためだということの確認のため)。さらに場合によってはその社内規定が従業員に周知徹底がどのように図られているかについて、担当部署の責任者(総務部長、人事部長など)による申告書も。
このように、従業員が自分が万一のことがあった場合、自分の家族に会社からいくら支払われるかがわかっていて、そのために会社を契約者・保険金受取人、自分が被保険者とした保険に加入するんだということに同意していることが、保険会社の引き受けの条件になるわけです。